悪戦苦闘!!純正マルチをぶっ殺す!!の巻






みなさんこんばんはー!
今回はすごいですよー!

今回の車はコイツ。





ホンダの変な車!
インスパイヤーとかいうやつですw
このインスパイヤーは先代モデルも変!何せ5気筒エンジンなのです。

それからモデルチェンジを経てようやくこの型番にて普通に6気筒になったかと思いきや!!
なんとエンジンがサボるという機能がついております。

エンジンが低負荷の時、6気筒のうち3気筒が有給休暇を取りバカンスに出かけるという機能!
誰がこんな事考えたんでしょうね。
人間で言えば右心室と右心房が「ちょっと休憩^^」とかいって止まっちゃうのと一緒。
どうせ変な故障の原因になるんですよ。。。やめようよーホンダさんそういうのーw





そんな事はさておきこのインスパイア
お客さんがどうしても欲しいという事でウチの工場がオークションから引っ張ってきたんですが、純正のナビがね。ついてるんですよ。

いやー純正ナビ付きなんてステキじゃないかー♪などとおっしゃる方もいらっしゃる事でしょう。
しかしっ!車屋からすれば純正ナビなど百害あって一理なし!!!
地図の更新は一定時期で販売を終了し、故障するとめちゃんこ修理費が高い!
一部壊れてもAssyで交換させる悪魔のホンダ技研なのも相まって中古相場もそれなりに足元を見ているという最悪のオンパレード。
おまけに壊れやすいで有名なホンダのインターナビ!

そしてこのインスパイアのナビ。決定的な汚点が!!
すでに壊れているのです!!!www




この壊れたナビを修理できるのはディーラー直属の修理屋さんだけ!と世間ではなっております。
ディーラーが独自にオプションとして設定する社外ナビならまだしもこれは純正メーカーが飽くまで出荷の段階で組み込むメーカーオプション(前期インスパイアはもしかしたら全グレードナビ付きだったかも)!!

まぁそんなこんなでとにかく一度壊れたら始末が悪いのです。

何せオーディオのフェイスパネルも大体が純正ナビ専用設計!(2DIN規格にとらわれない為社外のナビがポンとつけれない)
オーディオ系のハーネスのコネクタや仕様が独自(専用カプラーとか、たった2本の線でたくさんの情報をやりとりする多重通信とかね。。)
ナビ裏にオーディオアンプが内臓されてるかと思いきや外部アンプだったりナビコンピュータがトランクにあったりと大変!
あまつさえエアコンもナビの画面で操作!!(これが主に社外ナビにポンと付け替えられない一番の理由)


もうほんっとサイテーw




ナビがぶっ壊れたインパイアを前にして社長はばろんにこう言いました。
「純正のナビよく壊れるらしいし社外のナビ組んでくれ」

えー( ̄− ̄)

しかしそこはワタシの恩人社長様のお言葉!
ご期待に応えてみせましょう!!!



お客さんとのやりとりの結果、カロッツェリアのナビをぶち込む事に決定!!
みんカラとか見てるとみんなやってる純正ナビを触らずに小物入れを改造して追加で社外ナビを組むツインナビ方式は手軽ですが美しくない。ってか純正壊れてるし!!
ばろんは純正ナビの位置に社外のナビをインストールするべくプロジェクトを立ち上げたのであります!



よっしゃー!やってやるぜー!




まずは内装をバラしてみる。
とりあえずホンダ純正のインターナビがどういう構造なのか知るとこからです。

ナビ裏に全部コンピュータから内臓アンプから詰まってるかと思いきや(写真撮り忘れました)オーディオのフェイスパネルを外してみるとナビのディスプレイのみでした。
そしてディスプレイのすぐ後ろになにやらあやしげな基盤。
そんでその基盤を囲むおびただしい数の配線。。。
これは。。。厄介かもしれん、、、
それより本体はどこぞwwww




さ、さておき。。。
とりあえずフェイスパネルに社外のナビをあてがってみました。


うんうん。サイズはバッチリですね。
いいぞインターナビ。この調子でトントン拍子に事が運んでくれる事を祈りたい。

しかしばろんはまだこれから先、トントン拍子どころかどんどん病死に近づいて行く日々に苛まれる事になど微塵も気づいていなかったのである!!!





ナビはフェイスパネルぴったりだが、問題は山積みである。
まず懸念されるのはナビ裏のスペース。
ナビコンピュータ(つまりは本体)がナビ裏でなくトランクに配置され、ナビ裏には省スペースでも設置可能なディスプレイのみ。と、あと変な基盤・・・

とりあえず変な基盤とインターナビのディスプレイユニットを取外し、社外ナビが実際にナビ裏のスペースに収まるか確認。



結論。収まらない(泣)



ディスプレイユニットのすぐ後ろにはエアコンのダクトが走っているのです。
とりあえず邪魔な物はカット!カット!
エアコンのダクトから風が漏れないギリギリまで削り、ダッシュボードの骨組みも思い切ってカット!
樹脂なのではんだごてで焼き切ります。30Wで十分です。くさいけど。。




はいー。バッサリ切りましたー。
エアコンユニットもギリギリまで削り、風が漏れないように穴があいちゃったとこは塞いでおきましたー(穴あいちゃってんじゃねーかー!)

これでとりあえず社外ナビが入るだけのスペースは確保致しました。
ホントにギリギリだけどね。



ナビが収まる事を確認したところで、お次はディスプレイユニットの後ろにあった変な基盤の正体を暴きます。
配線図とにらめっこしていると驚愕の事実。なんとエアコンユニットの基盤(-ω-;)

とっても大事なエアコンユニットの基盤。その基盤に操作パネルから伸びたハーネスはとてもとてーも短く、社外ナビを収めるのに避けておく事もできません。。。
何せ本来ディスプレイユニットとその変な基盤があった場所に社外のカーナビをぶち込もうとしているのですから避けれる余裕がないのも無理ありません。
そもそも純正ナビ標準の車は社外のナビを取り付けれるようにはハナっからできてはおらんのです!


いやはや・・これは困りました。
ばろんの無い知恵を絞っても出てくる答えは短い配線を切って繋げて延長する事ぐらい。
でもね。エアコン基盤から生えてるカプラーの線・・・。全部で50以上。。。。
それらの配線を一本ずつ延長しなきゃならんのですよ。。。

配線を真っ二つに切って延長用の線に繋げて、その先で切った反対側にまた繋げて・・・50本の線を延長する為に100回も同じ作業を繰り返さなきゃーならんのです(ーー;)

なおかつ基盤への配線は基本的に何10Vも電圧がかかる場所ではないのです。ただの信号線でパルスをやりとりするだけなのですごーい細いんです。
例えるなら揖保の糸ですね。ソーメンの束を一本ずつ延長する感覚。気が遠くなるでしょ??


それはさておき、そもそも純正のナビで操作するはずのエアコンをどうやって社外のナビで操作するのか。。
結論から言えば社外のナビでは操作できません。


ですので今回のお客様に限ってはエアコンは我慢してもらう方向で売りつけるつもりですwwwww

嘘です!



インスパイアは高級車なのでオートエアコンがついていますね。
ナビの画面で操作するのはマニュアルエアコン。風量の調整などを自分の好きなように調整するやつですね。
反対にオートエアコンは温度さえ設定してやれば後は車が勝手に室内が快適になるように自動で風量や吹き出し口の調整をやってくれる機能です。
ばろんは断然マニュアル派なのですが、このたびのお客様はオートエアコンがだいちゅき♪
下取りのアリストもマニュアルエアコンを操作した事はほとんどないのだとか!!!


配線図とにらめっこする限りではオートエアコンの制御にディスプレイユニットは関与していなさそうだったので、
「エアコンはオートに任せる作戦」
これを実現するべく配線加工していきます。

結局、素麺の束をちぎっては延長する作戦です!

エアコン基盤とディスプレイユニットを切り離し、ディスプレイユニットは捨てます!

どーん!と捨てます!


取外したディスプレイユニットです。薄いです。




これを・・・
こーんな風にしてww





この保護カバーみたいなのはどうやらバックライトか何かみたいですねー。タッチパネルの圧力感知するセンサーかと思いましたが違うみたい。



ディスプレイユニットの基盤です。
何がなんやかわかりません!
とりあえずばろんは単純に何でも部品をバラすのが好きなんです(げへへ)



意味もわからないクセに散々バラバラにしたディスプレイユニットは大した勉強にもなりませんでしたし、必要もありませんのでこうしてやります!



どーん!!

どうだ見たか!わっはっはw

故障が多い事で有名な悪名高きホンダのクズナビめ!まもなく金属ごみを回収しにくる中国人に回収されるがいい!!





とまぁ、ウサ晴らしはさておきまして、本題にとりかかりませう。




オートエアコンに携わるやつらは主に4つ。

まずはエアコンのコンピュータです。さっき捨てた純正ナビディスプレイユニットAssyの裏側にくっついてた基盤です。さっき捨ててたディスプレイユニットの基盤とは別ね。
それからオートエアコンの操作を人間がする為の操作パネル。ナビの両サイドにあります。デュアル制御で運転席用と助手席用それぞれポテンショダンパがついており別々に温度制御できます。単純に考えてシングルエアコンより配線の量が倍になります。死ねっw
そんで、エアコンの設定温度などを表示する小さなサブディスプレイ。
そして、なぜかエアコンメイン基盤とサブディスプレイの仲介をしている純正ナビ操作パネル(CDチェンジャー付き)

下の図は各部品と配線の相関図です。



とまぁこんな感じにメイン基盤をナビ裏からちょこっと移動させるだけの為にさまざまな配線の延長が絡んでくるわけです。
赤い線一本で図示してありますが、赤い線一本辺り15本ぐらいの細い配線群です。それをぜーんぶ延長です。気が遠くなるでしょ?w

実際の完成した画像がこちらです。部品の配置図はなんとなくイメージしていただけたでしょーかw




ナビ裏のスペースもお世辞にも広いとは言えず、配線も50本以上延長するとなると延長用の配線が1mm太くなるだけで50mmもかさばってしまいます。
そこでばろんの電装品の師匠がとても良い作戦を教えてくれました。


パソコンのLANケーブル(スリムタイプ)を利用した延長ハーネス作りです♪

ただの信号のやりとりには大した電圧はかからないとは前述したとおり。
信号のやりとりならばLANケーブルで十分なのです。
ちなみにこのきしめんみたいなLANケーブル。被服を上手に剥くと8本のほそーい線が出てきます。10本だったかなwww
きしめん一本辺り8本の延長ができる!しかもかさばらない!超絶画期的!

基盤の配線をちょん切っては被服を向き、今度はカッターナイフできしめんの中の8本の配線を傷つけずに剥き、また中の8本の極細の線の被服を剥いては
基盤の配線とはんだで接着し、ビニールテープで絶縁していくという死ぬほど気の遠くなる作業の開始です(´・ω・`)



下の画像は純正ナビ操作ユニットの入力基盤です。

赤○のところ。これがエアコンのON/OFFスイッチです。なぜかここに居ます。これがないとエアコン作動致しません!!
ついでにこいつを仲介しないとサブディスプレイが動きません!設計が腐ってる!

絶縁しているとこら辺を見ていただけるとわかりますが、きしめんを剥いたら色とりどりの細い配線がのぞいております。
忘れてましたが、CDチェンジャーは邪魔なので撤去済みです。必要なのは飽くまで基盤。純正のCDチェンジャーなどディスプレイユニットと同じ末路でしたよハッハッハ
この入力基盤の他にさらに操作ユニットメイン基盤が別にございます。





基盤と同時進行でナビを動かす為の配線処理もしていきます。
なぜ同時進行である必要があるのかと言いますと、基盤の配線延長にはとても精神力を使うので疲れたときの息抜きにナビの配線処理をするのですw
それほどまでに過酷でした。何時間もやってても終わらないんだもんw

下の写真みてもらっても既にごちゃごちゃしてて見てるだけでイヤになりそうですが、当時のばろんにとってはとるに足らないとても楽しい作業なのでした。
こんな事やってて楽しいんだからホント変態ですな。

ま、変態なのはわかっておりますので、後は社長への奉仕の心とお客様の笑顔の為にやりぬくだけです。







社外ナビも動かしつつ、純正ナビ操作パネルも駆動させないといけない為、配線はかなり特殊なやり方で組んでいた記憶があります。
カプラーは純正位置に挿さないといけない。でも社外ナビも動かしたいからという事でこちらもハーネス延長ですハイ。
線径が太いのできしめんよりこちらの方がよっぽど楽です。

ばろんの伝家の宝刀メスギボシによるスプライスです。スプライスなんざいちいち買ってられないのでメスのギボシ端子一個で線と線を繋げて延長しています。







はい、基盤に戻りまーす。


ガムテープがついてるのがエアコンのメイン基盤
その上にあるのが純正ナビ操作ユニットの基盤(CDチェンジャー外し済み)です。
おびただしいきしめんの量を見ていただければばろんの血の滲む努力がおわかりになっていただけると思います。

当初こうやってインストールしようと思っていましたが、無理でした。

スッキリしていい作戦だと思ったんですが、どうしてもフェイスパネルを取り付ける時にエアコン基盤が干渉して収まらなかったのです。
うーん。思い通りにいかないなー。。







ところ変わって、これが搭乗者が操作するパネルの延長の図。



裏から見るとこうなっています。
ちなみにオーディオブラケットもワンオフのスペーサーを用いてナビがすっきりインストールできるように改造済みです。








細かい配線が終わったところで、本格的にナビ取付へ着手していきます。
お客様の強い希望でステアリングに搭載されているステアリングリモコンが使いたいとの事。
配線図を調べてみると・・・?




ホンダ純正はこのようになっています。
信号ごとに別々の抵抗値が設定されており、リモートワイヤーを通る電圧差で複数の操作を1本の線で行う為の手法です。

ケーブルリールというのはスパイラルケーブルですね。ハンドルぐるぐる回しても線が切れないようにする装置です。
このようにステアリングリモコンはエアバックやクラクションの配線と一緒にケーブルリール内にぐるぐる巻きに入っています。


純正ステアリングリモコンを社外ナビでも使える変換キット。ガレイラ製をチョイスしました。
ガレイラに電源を与えて、後はステアリングリモート線をナビ裏から探して繋ぐだけです。かんたんでしょ?








社外ナビのフィルムアンテナ、GPS等を取り回し、後は取り付けるだけで完成です!!









延長配線もいい感じです!
ビニールにくるまれてガムテープくっついてるのがエアコンのメイン基盤です(汗)
本来なら廻りを金属の鎧で覆ってあるのですが、基盤むき出しはさすがにマズいという事で一応対策です。
きしめんで延長したハーネスが抜けにくいようカプラーにしっかりホットボンド充填してあります。

さあ、後は配線が噛み込んだりしないように注意しながらフェイスパネルをダッシュボードに収めるだけです!!

果たして上手く動作するのでしょーかw




多少の不安はあったもののナビは無事に起動!
車速パルスもきちんと拾っておりますね!







サブディスプレイもキチンと温度表示しております。
ステアリングリモコンも完全な動作をしてくれました。
ナビの開閉も自在。ブラケットの位置調整に多少てこずりましたがね。。
もちろんオートエアコン動作も完璧。

お客様にはCDチェンジャーには決して何も入れないようお願いし(下に落っこちちゃうw)無事に納車できました。










ステキなカーライフがお客様にありますように。
あとナビとかエアコンがぶっこわれませんようにw

アリストでも一台純正マルチを社外ナビにビートソニック無しで組みましたがその時のスキルが活きました。
いやーなんだかんだで俺も成長したもんだ。


更なる変態の極みへ躍進します(笑)












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