えみちゃんはいやらしい子〜その2〜




タペットカバー(エンジンヘッドカバー)のシール類交換編です。

ちょっと大変な事が起きちゃって心が折れそうになりました・・・(泣)


SW20の3S-GTEのヘッドカバーは〜その1〜でも書いたようにインタークーラーからインマニまでの部品が上を通っているのでそのあたりをゴッソリ外してやらないと取り外せません。インマニはそのままでもOKなんですがね・・・。

プラグ交換の要領でインタークーラーとスロットルボディの間にあるパイプを外します。
次にスロットルボディまでのエアの流入配管を外します。やたらと長いボルトがたくさんあります。ボルトの長さがそれぞれ違うので元に戻せなくなる前にボルトがどこについていたかを把握しておきましょう。
また、エア漏れを防ぐためにガスケットが多用されているので落とさないように・・・。なお、ガスケットには上下も裏表もあるのでキチンと覚えておかないとダメです。

次、スロットルワイヤーを固定しているブラケットを外します。ボルト2個です。
これでスロットルボディをインマニから外す事ができます。
スロットルボディはカプラーが2個、ホースが3本、スロットルワイヤーがそれぞれくっついているのでワイヤー以外全部外します。
カプラーは砂を噛んでいて外しにくいのでプライヤーでツメを抑えて外すのが吉。
ホースもしっかり固着しているので傷つけないようにマイナスドライバーを突っ込んでぐるっと一周すると固着が取れて抜けるようになります。

あとスロットルボディの真下にもカプラーが1個あります。邪魔になるので外します。
このとき、カプラーとホースの位置関係を把握しておかないとキチンと組めません。(実際なかなか組めませんでしたからなww)

スロットルボディが自由になったらスロットルワイヤーを無理な方向に引っ張らないようにしながら邪魔にならないとこによけておきます。

次に助手席側に回って丸くて黒くてホースが3つついてる謎の部品のステーを外します。助手席側から見てリサキュレーションバルブ(ブローオフ)の右側にあるアレです。
シリンダヘッドボルトを外す際に非常に邪魔なのでここで外しておくと楽です。

んで、プラグコードも外してしまいます。ボルト3つ外すだけ。

次にタイミングベルトのケースを固定している上部2つのボルトを外します。外しにくい位置にあるので、ショートスタビラチェットや、ロングソケット、エクステンション、ユニバーサルジョイントのようなものがあれば楽です。
これでタイミングケース自体もヘッドカバーに固定されているほか、ヘッドカバーをまたいでいる配線の束もブラブラになります。
配線の束はタイミングケースの上に置いておくと良いです。


これにてようやくヘッドカバーを外しにかかることができます。
シリンダヘッドボルトは全部で10個。シールワッシャがついているのですぐにわかります。
室内側に3個、中央に3個、そんでトランク側に4個です。
中央部のボルトはアホみたいに長いのが3本。トランク側と室内側は同じ長さのボルトです。混同しないよう外したのと同じように並べておいておくのがセオリーです。
ちなみにシリンダヘッドボルトを転がしてプラグホールにうっかり落とさないようにプラグコードを穴に突っ込んどくのも手です。

トランク側のボルトがやっかいで、ホースやらカプラーを手でよけながら外さないといけないので下に落としやすいです。慎重に・・・。

ほんで、ヘッドカバーを持ち上げて外していきます。ゴムが固着しているので内張り剥がし等でヘッドとシリンダの接地面を傷つけないようにこじって外します。ばろんはメンドイのでマイナスドライバーでやります。傷つけないようにね・・・。

リサキュレーションバルブをよけながら運転席側から手前に引っ張り出して、斜めに持ち上げながら外せばOKです。
古いタペットカバーパッキンはボロボロですのでエンジン内に落とさないように・・・!!エンジンがアレになります(;谷)



これがえみちゃんのヘッドカバーの裏っかわです♪
これでえみちゃんの内臓が丸見えです☆
うん。鉱物油ばっかり使ってるからエンジンが汚い汚いww

古いパッキンはさっさと外して、パーツクリーナーでパッキンがはまる溝のオイルを取り除きます。
パーツクリーナーはゴムを劣化させるので完全に乾くまで待ちます。

あとはプラグホールのパッキンとタペットカバーのパッキン付けて部品元に戻して終わり!!


ばろんでもDIYレベルでできたよ〜!!いやっほ〜い☆


と喜んでいるのはつかの間。



ここから地獄がはじまった・・・。



パッキンがミゾから外れないように注意しつつ、さらにヘッドカバーとシリンダブロックの間にホースやらカプラーの配線やらを噛まないようにしながらヘッドカバーでフタをする・・・。

シリンダヘッドボルトに新品のシールワッシャーを付けて外側から対角線上にゆっくり締めていく。

ん?

案外トルクが掛からない???

もう少し締めておくか♪緩んでオイル漏れたらイヤだしネ☆
と、グイっとボルトを締めたその瞬間!!!


パキ・・・



おwwwwwwww

どうやらシールワッシャ上部のワッシャー部が割れた音のようだ。まぁ下のゴムが効いてるしいいよね?w
ともう2つ締める。

もう2つも「パキ・・・」となんともなさけない音が合計3回した。

ん〜・・・どうもおかしいな。
夜にLEDの懐中電灯だけで作業していたばろんはまったく気が付かなかった。
よ〜くヘッドカバーを見てみると・・




うおぉ!!!
ヘッドカバーが割れとる!!!???




やっちまった〜・・・(;谷)

そのヘッドカバーのクラックはシリンダヘッドボルトの締めすぎによるものだった。
つまりさっきから合計3回鳴った「パキ・・・」というむなしい響きはシールワッシャーでなくヘッドカバーの悲痛な叫びだったのである。



5分・・・。立ち尽くしてしまった・・。


やっちまったのは家の駐車場にて・・・。
とりあえず会社に行けねえ・・・どうしよう・・・。


でも何とかしないと・・。
タバコを一本吸って気を落ち着かせて出した結論はコレ。

道具箱から取り出したるはサイノスのロアアームのボルトを無理やり固定して車検を見事パスしてみせた金属用エポキシパテ!!
天下のセメダイン社製!今回もとんでもないとこの固定お願いしますセメダインさん・・・。


エポキシパテの1パテと2パテををこね回す。発熱しだすとクサくてたまらん。たまらんがガマンしてクラックの入ったところにドッサリ盛って割れた破片と合わせてくっつける。頼むくっついてくれ!!と祈りながら余った余計なパテを取り除いて完全に硬化するまで待つことしばし・・・。


元チューニングショップの走り屋の仲間と社長に電話して相談した結果、とりあえずオイルはすき間から噴出すかもしんないけど走れなくはないだろうという結論にwww

しかし今回もエポキシパテはいい仕事をしてくれて、割れた部分を掴んでヘッドカバー全体を持ち上げても外れない。ガッチリくっついてる♪エポキシさんありがとう・・・。

そしてヘッドカバーを再び慎重に取り付け、スロットルボディやらホースやらを元通りに組み直しておそるおそるエンジンを掛けてみるばろん。

アイドリングは安定。オイルも吹かない♪そうとなれば試運転へレッツラゴー!


のろのろ走ってもオイル漏れなし。試しにブーストかけてもオイル漏れ無し!!

アクセル全開でレブ付近までブン回す!オイル漏れ無しッ!!!!

油圧はかなりかけてみたつもりだったけどエンジンルームからはオイル漏れてる形跡はあんましないみたいだ。


(;谷)=3 フゥ〜・・・・


翌日、その状態のえみちゃんで会社に行き、社長と社長の親父さんに見てもらう。
親父さんはその道40年以上の大ベテラン。その判断は・・・!?

親父さん「ま、大丈夫だら〜?」

と、若干興味なさ気に太鼓判を押してくれた。ちょ・・ホントに大丈夫なんスか〜!?ww

ちなみに40数年整備士をやっている親父さんだが、ヘッドカバーを割ったヤツを見たのはばろんが初めてらしい(爆)


どうやらばろんは前人未到の伝説を作っちまったようだ (汁)



とりあえず中古部品を取り扱ってる店に何件か電話してみたが無いとの事・・・。
ちなみに新品はあるみたいで、お値段は27700円との事(泣)

というわけで長い目でじっくりヘッドを探すとして、現状で走り回ることに♪♪

一応ホームセンターでステー買って上からヘッドを押さえつける悪あがきもしておいた。

今のところ何の問題もなく走行可能。オイルも噴出したりはしていない。にじみはあるかもしんないけど、そもそもエンジンルームが汚いからよくわかんないww

その後、
峠でそこそこ流してみたけど壊れる気配なし。ウェットだったから本気で攻めれてないけど水温もそれなりに上がってたし負荷は掛かってたはず。普通に変わらず走れます♪
良かった良かった・・・



〜まとめ〜
最近の車は軽量化のためにヘッドカバーをアルミで作ってます。軽い分もちろん強度は鉄に劣ります。
シールワッシャーの締め付けトルクは10N・m〜15N・m(ニュートン・メートル)。
ホイールナットの締め付けトルクが100〜120N・mぐらいだと言えば理解していただけるでしょうか??
そうです。ぜ〜んっぜん締め付けトルクが低いのである。
次のヘッドカバーが来たらちゃんとトルクレンチで締めよっと・・・。

ごめんよえみちゃん許しておくれ・・・。











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