足回りセッティングで大事な事



車高調をいれてからはや1ヶ月。

なかなかセッティングが決まらず、セッティングを色々いじってみるものの大した効果は得られずじまいの最近のばろりん。

以前の放浪記でちょっとスランプみたいな事を言っていました。

足回りをセッティングし直しただけでチューンアップした気になり、走ってみるも思い通りに行かず・・・。

ハンドリングを重視してプリロード(スプリングの事前荷重)を掛けてレスポンスを上げれば荷重移動が犠牲になり、あわやフロントブレーキロックの危機(いや、あわやっていうか突っ込んだしネ☆)

今度はフロントブレーキを効かせるためにリアのプリロードを緩め、ノーズダイブによるフロント荷重でなくテールボトムによるフロントへの荷重移動を試してみる。多少の効果はあったものの、速く走れるようになったワケではなかった。リアが遊ぶ。


この時ばろんは足回りのセッティングではプリロードばかりに固執して考えていました。
何故ならその時のえみちゃんのハンドリングのレスポンスが非常に悪かったからです。
普通はハンドルを切った時、切った方と反対のスプリングが縮みます。スプリングが縮んでからようやく曲がり始めます。
プリロードとはあらかじめスプリングをある程度縮めた状態でセットする事です。

こうする事で
ハンドルを切る→スプリングが縮む→曲がる

の動作を

ハンドルを切る→スプリングはもう縮んでます→曲がる

に変えてやる事ができる。
つまりはハンドリングがダイレクトでレスポンスが良くなるワケ。
こう聞くだけだとすごくいいセッティング方法のような気もしますが、当然デメリットもあります。
それは後述で・・・。


間違ったセッティングで走っても速くは走れません。
しかし、やっきになって頭でっかちになってプリロードに試行錯誤を繰り返すうちにスランプだと思い込んでいたんでしょうな(;谷)






峠の待避所にえみちゃんを止めて、フルバケットシートに背中を預けて目をつぶってよ〜〜〜く考えてみました。
どうしたらえみちゃんは思い通りに動いてくれる?
プリロードを1mm単位でセッティングしても速く走れない。
何故??

教えてえみちゃ〜ん!!どうやったらアンタは思い通りに曲がってくれるんよ〜!?

えみちゃん「プリロードが原因じゃないんじゃね?」


Σ(谷;)



そうです。プリロードじゃなかったんです。
足回りのセッティング項目は多岐に渡ります。数え切れません。

キャンバー、トー、車高、ショックの減衰力、スプリングのバネレート、スプリングのプリロード、タイヤの空気圧・・・etc

ばろんの足回りでとりあえず現在すぐにできる事。
それは・・・

タイヤの空気圧、車高、プリロード、キャンバー&トー

の5項目。



・タイヤの空気圧

ばろんはこれまでの傾向として大体高めにセッティングしてます。峠でもエアゲージがあれば入れる事はできなくても抜く事はできます。

空気圧を下げる事により、ブレーキング時、タイヤがしっかり潰れて荷重を維持します。
また、直線のグリップもキチンとした空気圧の下げ方をすれば上がります。路面のギャップもタイヤがたわんで吸収します。
総じてブレーキングが安定します。
ちなみに下げすぎると、タイヤがバーストします。変な減り方します。

逆に空気圧を上げると、ステアリングのレスポンスが良くなります。
ただし、上げすぎるとグリップ力は損なわれ、路面のギャップに敏感になります。
ドリ車がリアの空気圧をパンパンにするのはリアのグリップをなくすためなのです。
ちなみに上げすぎるとバーストします。
また、高い空気圧のタイヤは低い空気圧で走るよりも寿命が長いです。


ばろんは今回フロントとリア両方の空気圧を0.3キロずつ落としました。
熱が入ってくるとまた変わってくるのでタイヤの空気圧のマネジメントはマメにやる必要があります。
熱が入って空気圧がどれぐらい上昇するかはタイヤの銘柄や扁平率で変わってくるので自分なりの空気圧セッティングを見つける事が大事です。

また、タイヤは第2のサスペンションと呼ばれており、レースシーンでも重要視されています。
0.1キロ単位で細かく走っていると、その言葉の意味がよくわかります。


・車高
車高は低くすればするほど慣性やらヨーモーメントやらの関係で運動性能が高くなります。
重心が低くなる事でクルマが揺れ(ロールや前後のバウンド)に対して安定します。
ただし低くしすぎると、ショックのフルバンプを起こしやすくサスペンションが損傷したり、フェンダーとタイヤが干渉してフェンダーが曲がったり、タイヤがフェンダーで削られて最悪バースト。なんて事になります。

というのが一般的な車高調整によるメリット&デメリット

確かにそうなんですが、これは前後の車高をいっぺんに上げたり下げたりする時の話であって、せっかく前後別々に調整できるんだからもったいぶらずに利用しましょう♪
前後の車高の調整はタイヤの接地力と荷重移動に大きく影響します。

今回はえみちゃんに限っての事ですが、他のクルマでも多少参考になると思います。


えみちゃんはフロントが軽いミッドシップなんでハンドル切った時のノーズがインに向く鋭さは抜群。
しかし、レスポンスが悪いためにハンドル操作をした一歩後に「よっこらしょ」と曲がる感じ。
つまりダルなハンドリングだったのである(これはSW20の話ではなく、その時のえみちゃんのセッティングのため)

なんというかフワフワするのである。地に足がついていないハンドリングというか・・・まぁグニャグニャなのである。
そう。その当時のセッティングはまさに地に足がついていないサスセッティングだったのである。

エアロがゴツくてよくわからなかったが、どうやらえみちゃんはリア下がりのセッティングになっていたようなのである(笑)

重量配分43:57のえみちゃん。
ただでさえリアが重い。極め付けに車高がリア下がりのため、前後の重心(重さの中心)がさらにリア寄りに傾いてしまっています。極端に言えばリアタイヤが重さのほとんどを受け持っているような状態。
これではフロントタイヤの接地力は無くなってしまうのは当然です。

接地力が無いという事はブレーキング時に

「タイヤの接地力」 VS 「ブレーキの制動力」


というような事が成立してしまうのでいとも簡単にフロントがロックしてしまうはずです。



そうです。ばろんのスランプの原因は前後の車高の差にあったのです。

ステアリングのレスポンスが悪いのはフロントタイヤがしっかり路面に接地していないから。
ブレーキがロックするのはフロントタイヤがしっかり路面に接地していないから。
ぜ〜んぶコレのせいでした。

フロントの車高を下げれば解決です。しかし、フロントのサスストロークの少ないえみちゃんのフロント車高はこれ以上下げたくありません。そこで、逆にリアの車高を1cm上げました

たった1cm・・・

その僅かな車高の調整によって前後の重心がさっきよりも前寄りに。
フロントタイヤの接地力が上がる事によりハンドルのレスポンスは激変。またブレーキング時姿勢がキチンと安定するように。

フロントへの荷重移動が苦手な人や、ヒルクライムばかり走るような人は是非一度はやって欲しいです。
ただし、フロントヘビーでこれをやると多分逆にリアがロックします(;谷)


たかが車高とバカにしていましたが、1cmの変化でこんなにもクルマの性格が変わるものか!?と目からウロコ・・・いや、目からポセイドンが出た思いでした。



・プリロード
プリロードは前述したとおり、スプリングに事前に荷重を掛けておく事により、ステアを切ってからのクルマの動きをクイックにする事ができます。
厳密には全然違いますがバネレートを変えたような感覚に近いので、コストを掛けずに足を硬くしたい時には有効です。

デメリットとしては、 確かにフロントにプリロードが掛かるとステアリングはダイレクトになります。しかし、最初から縮んでいる分プリロードを掛けていないスプリングより縮みにくくなるのでフロントに荷重が乗りにくくなります。
また最初から縮んでいる分スプリングが完全に伸びきった状態には物理的に絶対にならないので、結果ショックのストロークが少なくなってしまいます。
レスポンスは上がりますがサス自体の限界は下げる事になります。


スプリングとショックはストロークさせてナンボです。
プリロードを掛ける時はそこの兼ね合いを見ながら自分なりにちょこっと味付けする程度に抑えておくのがいいと思います。
足回りセッティングの最終段階のテコ入れと言えばいいでしょうか?
本当はバネレートを上げた方がいいんですけどね。


プリロードは1mm単位でも挙動が変わります。セットする時は慎重に・・・。


・キャンバーとトー
これらはアライメントに影響する上、いじると戻せなくなるので怖くてパスwwww
タイヤの偏磨耗を助長するのでとりあえず置いておきます。

確かにキャンバー立てればコーナリングの限界は上がる。でもそういう話以前の話。
さらにブレーキング時姿勢が安定しないのと、直線走ってる時の接地面が少ないのでブレーキが効かない。だからパス。

トーはテストセンターでキチっと測ってもらったからいじりたくない。パスパス!タイヤが偏磨耗するのはイヤ♪


という具合にセッティングを見直しました。

1番効果があったのは車高。
2番目に効果があったのはタイヤの空気圧。
これにさらにプリロードを前後共に5mmずつ掛けています。

車高とタイヤの空気圧を調整しただけでえみちゃんの性格がガラリと変わりました。

足を入れただけで満足していた節があったので、単純で重要なポイントを見落としていました。
車高調整なんて車高が変わるだけ。空気圧なんて入ってりゃいい。
そう思ってる人でうまく走れない人はもう一度こういう単純なポイントを見直して見てください。

な〜んだこんな事が原因だったのかよ〜!
と目からポセイドンが落ちるハズです。

ホント足回りは奥が深い・・・。























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